むし歯治療

どうして虫歯になるのか?

①ミュータンス菌と虫歯の関係

①ミュータンス菌と虫歯の関係

虫歯は、主に「ミュータンス菌」という細菌の働きによって引き起こされます。
歯を磨いていても虫歯になるのは、このミュータンス菌が原因の一つです。
人によっては、あまり歯を磨かなくても虫歯にならないことがありますが、これは口の中に虫歯菌がどれだけいるかが大きく影響しています。

②感染とバイオフィルムの形成

②感染とバイオフィルムの形成

ミュータンス菌は、生後10ヶ月から36ヶ月の間に、保護者から感染することが多く、特に保護者が砂糖を多く摂取していると、菌がより定着しやすくなります。
この菌は歯の表面に強く張り付き、歯磨きだけでは完全に取り除くことが難しいため、バイオフィルムという膜を形成して歯にしっかりと付着します。
バイオフィルムに棲む細菌が酸を出し、その酸が歯を溶かしてしまうのです。

③虫歯の進行と予防

③虫歯の進行と予防

さらに、虫歯になる要因には、悪玉菌の増加や砂糖の摂取が深く関わっています。悪玉菌は砂糖を栄養源とし、酸を生成して歯を攻撃します。
この状態が続くと歯が徐々に溶けていき、虫歯が進行します。加えて、歯の強さや、唾液が酸を中和する能力も虫歯の進行に影響します。
唾液の働きが弱かったり、歯が弱いと、虫歯ができやすくなるのです。

虫歯を予防するためには、日常的な口腔ケアだけでなく、細菌の活動や食生活の管理も重要です。

むし歯の症状について

むし歯の症状について

CO

初期のむし歯

歯の表面のエナメル質が溶けはじめ、白く濁っている状態です。
まだ歯に穴はあいておらず、痛みなどの自覚症状はありません。

治療法初期むし歯は、フッ素塗布や唾液による再石灰化で自然に治る場合があります。
このため、経過観察となることが多いですが、場合によってはレジンを用いた詰め物で治療を行うことがあります。

初期のむし歯

C1

エナメル質のむし歯

歯の表面のエナメル質がさらに溶け、黒ずんでいる状態です。
冷たいものがしみることがありますが、まだ痛みはありません。

治療法黒ずんだ穴部分のみを削って、詰め物をします。エナメル質のむし歯はまだ穴が小さいため、歯を削る量が少なくて済みます。
削った部分には型を取り、金属やセラミックの詰め物で補修します。

エナメル質のむし歯

C2

象牙質のむし歯

エナメル質の内側にある象牙質までむし歯が進行した状態です。
冷たいものや甘いものがしみるようになり、ときどき痛むこともあります。

治療法象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、むし歯の進行が速いです。
むし歯を丁寧に削り取った後、型取りをして詰め物や被せ物で治療します。

象牙質のむし歯

C3

歯の神経に達したむし歯

神経までむし歯が進行した状態です。
熱いものがしみるほか、何もしていなくてもズキズキと激しく痛むようになります。

治療法むし歯が神経に達すると、強い痛みが生じることがあります。
この場合、むし歯を削り取った後、神経を取る抜髄の処置が必要です。
抜髄には数回の通院が必要で、神経を取った歯は感染に弱くなるため、早めの治療が望ましいです。

歯の神経に達したむし歯

C4

歯の根だけが残ったむし歯(末期のむし歯)

歯の大部分が溶けてなくなり、歯根までむし歯に冒された状態です。
神経が死に、痛みはなくなりますが、歯根部に膿が溜まると再び痛みが出ます。

主な症状むし歯が進行して歯の根だけが残った状態になると、抜歯が必要です。
抜歯後の治療としては、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3つから選びます。

痛みを抑えたむし歯治療

表面麻酔

多くの方が嫌がるのは、麻酔注射の痛みではないでしょうか。
事前に注射する箇所に麻酔液を塗ることで、注射時の痛みを抑えます。
この表面麻酔を行うことで、痛みに大きな違いがあります。

極細の針を使用

針は細ければ細いほど痛みが抑えられます。

電動麻酔注射を利用

麻酔時の痛みの原因の一つは、麻酔液が体内に注入されるときの圧力です。
麻酔液の注入速度や圧力をコンピューターで自動的にコントロールする電動麻酔注射を使用することで麻酔時の痛みを軽減できます。

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