歯科口腔外科
顎関節症
顎関節症とは?
口を開けるとあごが痛い、音がする、口が開かないなどの症状がある場合、顎関節症が考えられます。
この病気は比較的珍しくなく、適切に対処すれば恐れる必要はありません。
顎関節症の症状
口を開けると痛い
多くの患者様が訴える症状で、痛みは耳の前の顎関節付近で感じられることが多いです。
痛みが出始めた頃は片側の顔から頭まで痛むこともあります。
また、頬やこめかみの筋肉に痛みが出ることもあり、これが頭痛として感じられることもあります。
あごを動かすと音がする
あごを動かすと音がするという人は意外と多く見られます。
音にはカクカク、コキコキといったはじけるような音と、ゴリゴリ、ザラザラといったこすれるような音があります。
口が大きく開かない
痛みのために口が大きく開けられないことがあります。
他にも関節自体の動きが制限され、口が開かなくなることもありますが、完全に口が開かなくなることはありません。
一般的には、放っておくと数日で口が開くようになります。
噛み合わせが変化した
あごの関節や筋肉に問題が生じると、噛み合わせに微妙な変化が生じることがありますが、多くの人は症状が改善すると気にならなくなります。
また、実際には噛み合わせの変化がなく、そのように感じるだけということもあります。
顎関節症の治療法
マウスピースやスプリントの使用
歯ぎしりや食いしばりをしてしまう人には、スプリントと呼ばれるマウスピースを装着し、顎のズレを修正したり、強く噛み合わせる箇所を守ることで、顎関節症を改善する方法があります。
生活習慣の改善
適度な運動やストレスの軽減、姿勢の改善など、生活習慣を見直すことが顎の筋肉の負担を軽減することがあります。
肩や首のストレッチも効果的です。
薬物療法
痛みが強い場合は痛み止めを処方し、症状の緩和を図ります。
痛み止めには内服薬や塗り薬、貼り薬などがあります。
怪我などによる外傷
よくあるケガ
- 転んで歯を打った
- 歯が欠けた・抜けた
- 打った歯がぐらぐらする
- 口の中が切れた
- 物が当たって唇が切れた
- 歯にヒビが入ったなど
怪我などによる外傷の治療法
抜けた歯の再植
歯が抜け落ちた場合には、早急な再植治療が必要です。
再植とは、一度抜けた歯を元の位置に戻す治療です。
歯が抜けた際には、その周囲にある「歯根膜(しこんまく)」という細胞が生きていることが大切です。
この歯根膜は乾燥に弱く、乾燥すると細胞が死んでしまいます。
そのため、生理食塩水に似た成分を含む牛乳に浸すことで、歯根膜の細胞を保護し、乾燥を防ぐことが効果的です。
折れた・欠けた歯の治療
歯が折れたり欠けたりした場合、治療方法は外傷が歯の神経(歯髄)に達しているかどうかで異なります。
神経に影響がない場合
欠けた歯を接着したり、欠けた部分をプラスチック(レジン)で修復する治療を行います。
神経に達する外傷の場合
神経の治療や処置を行った後、欠けた部分の修復を行います。
歯の神経が露出している場合、適切な処置が早期に行われることで、歯の健康を保つことができます。
親知らずの抜歯
親知らずの抜歯方法
親知らずが埋まっている場合の抜歯方法についてご説明します。
まず、歯の周りの歯茎を切開し、歯槽骨(歯の周りの骨)を削ります。
歯が完全に見えるようにするために、この手順が必要です。
次に、親知らずをいくつかの部分に分割してから、それぞれの部分を順番に取り除きます。
切開した歯茎は最終的に縫合して終了します。
埋伏歯の位置や角度など状態によって抜歯時間は異なりますが、一般的には10分から1時間程度かかることがあります。
抜歯後は、腫れや痛み、開口障害が発生することがありますので注意が必要です。
抜歯後の注意事項
抜歯後の回復をスムーズにするために、以下の注意事項を守ってください。
激しい運動や長時間の入浴、飲酒は控える
抜歯当日は血行が良くなる行為を避けてください。
これには激しい運動や長時間の入浴、飲酒が含まれます。
これらの行為は出血や痛みの原因となる可能性があります。
傷口を手や舌で触れない
傷口に手や舌で触れることは避けてください。
これにより、傷口に刺激を与え、感染や出血を引き起こす可能性があります。
出血が止まらない場合の対処法
抜歯後に出血がなかなか止まらない場合は、清潔なコットンやガーゼを小さく切って丸め、抜歯した部分に置いて10分程度強めに噛んでください。
これにより、圧迫止血が期待できます。